フランスでは、無痛分娩での出産が主流です。
フランスで出産予定の私も、あれよこれよという間に麻酔医との予約を入れられました。
こちらだと自然分娩を希望する方が特殊なので、日本とは逆に自然分娩を希望する場合はきちんと主張したり下調べする必要があります。
お腹を痛めて産まないとダメ?
日本だと、「おなかを痛めて産んでこそ母」という伝統的な根性論みたいな考え方が主流なので、なかなか無痛分娩にしたいけど言い出せなかったりする方もいらっしゃるのではないですか?
ともいう私も、多分フランスに来ていなかったら自然分娩にしていたと思いますが、フランス人の価値観に触れて、いかに日本が「出産は痛くて当たり前」「我慢は美徳」といった価値観が染み渡ったお国柄だということを考えるようになりました。
フランス人には理解されない、自然分娩礼賛主義
フランスのママやおばあちゃんと出産の話をするのですが、無痛分娩で産むものと思われているので「無痛分娩か自然分娩どちらにするか」という話題にはまずなりません。
この間、先輩在仏日本人ママに面白いお話をお伺いしました。
フランス人に日本では無痛分娩が主流だと言うと、
「日本は先進国で医療技術も発展しているはずなのに、無痛分娩が主流ではないの!?」
とむしろ驚かれるそうです。
激痛に耐えながら分娩することは先進国にも関わらず原始的なやり方で治療する、
それはあたかも、
「麻酔なしで親知らずを抜いたり虫歯を治療したりする」
のと同様だと見なされるのです。
無痛分娩といえども、分娩後も色々と痛みや大変なことが待ち受けているのに、
さらに追い討ちをかけるかのように自然分娩をするのは何故だという話になります。
価値観の違いは面白いな〜と思います。
私はどちらが正しいということはないと思います。
でも、無痛分娩や帝王切開で産んだお母さんをお母さんと認めないような言動はどうかと思います。
まして、女性のキャリアや社会進出、高齢出産の流れなどから、時代とともにお産にも色々なスタイルが求められるのはごく自然なことだと思います。
自然分娩も無痛分娩もそれぞれメリット、デメリットがあります。
日本ではそもそも無痛分娩をしたくても、それができるクリニックも限られています。
フランスでも自然分娩を希望する女性ももちろんいます。
日本では出産は痛くて当たり前。
皆、この痛みを我慢して産んできた。
そんな伝統的な考え方に疑問を感じている人、
無痛分娩を考えている人、
世界を見渡せば色んな価値観があります。
帝王切開で激痛を体験せず出産したお母さんが、お母さん失格な訳ありません。
無痛分娩で産んだフランスのお母さんも、自然分娩で産んだ日本のお母さんも、赤ちゃんにとってはどちらも大切な自分のお母さん。
お母さん、赤ちゃんがベストな状態でお産にのぞめるよう、
ひとつだけの窮屈な価値観に縛られること無く、じっくりと納得のいく選択をしていただきたいものです。
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