「お母さん」が日々取り締まられている国、日本

赤子を授かってから、妊娠・出産・子育ての本を読みあさっているのですが、面白い本をここで共有しますね。

最近読んだので面白かったのが、古市憲寿さんの『保育園義務教育化』。

『保育園義務教育化』古市憲寿

ちょっと話はそれますが、妊娠中に日本に帰国したとき、とあるヒヤっとした事件に遭遇しました。

夜9時ぐらいの駅のホームの階段を上っていたら、ホームから降りてくる仕事帰りの不機嫌そうなおじさんがワザとと言わんばかりに私にぶつかってきたのです。
このころ、妊娠5ヶ月でお腹も少し出て大きくなってきた頃。
幸いにも手すりの近くだったので、手すりにつかまり何とか難は逃れましたが、もしそうでなかったら階段から転び落ちて流産もありえましたよ。
怖い怖い。
そもそも妊娠中に夜9時のホームにいた私もいけないかもしれません。
でも、いくら仕事で疲れたりしていても、人に当たることないですよね〜。全く。

マタニティマークのキーホルダーをしていても席を譲られることはほとんどなかったし。
そんなキーホルダーなんかつけないでいたフランスの方が、席を譲られること数多し。

日本の良いところもあるし、フランスに住んでるからってフランスかぶれな発言はしたくないけど、
日本での小さな不満が積もって、
日本で産まなくてよかったかもな〜と思ってしまいました。

さてさて、
テレビでの子供嫌い発言などで話題になっていた古市さん。
そんな発言をした人なのかと疑ってしまうくらい、考察されている本。
何より驚いたのが、男性で、未婚、しかも子どももいない古市さんが、驚くほどママの気持ちを言い表してくれていること。

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「お母さん」が日々取り締まられている国、日本

この国では、「お母さん」が日々取り締まられている。子どもが泣いた時は「すべて私が悪い」と謝罪することが求められ、ベビーシッターを使おうとすると「母性がないのか」と糾弾される。  そしてこの国は、「子ども」を大事にするあまり「お母さん」のことを心配しない国だ。

実際、数多くの育児ノウハウはあふれているのに、子どもを産んだ「お母さん」の身体に対して日本はあまりにも無頓着だ。  お腹の大きい妊婦さんのことは周囲もすごく大事にするくせに、赤ちゃんが産まれた途端、みんなそっちに夢中。赤ちゃんを産んだ「お母さん」のことにまで目がいかなくなってしまうのだ。

 

骨盤底筋群が痛んだり、骨盤そのものが緩んでしまうこともある。なので本来はできるだけ直立歩行をしないで1ヶ月くらいは安静にしていたほうがいいという。産後の早いうちから力仕事などをすると、最悪の場合、子宮脱になってしまうこともある。

取り締まり、止めて頂きたい。

「お母さん」って本当大変なんです。

「お前が産んだんだからお前がやれ」ではなく、協力しましょう。

私もどれだけたくさんの人に育てられたことやら。

「お母さん」はいたわってください。

出生率が高いフランスの施策

ちなみに、出生率が高く、子どもを育てやすい国として知られているフランスでは、ベビーシッターを使うことは当たり前で、国から補助金も出る。実際、3歳未満の子どもの約2割は、主にベビーシッターが面倒を見ているという。

確かにフランスの政策を見ていると、国や社会が全力で「子どものいる家族」を応援してくれているように見える。その一部を紹介しよう。

・まず、労働時間が日本と比べてだいぶ短い

・その上、育児をしている人には、柔軟な働き方が認められている

・質の高い保育園や託児所が充実している(もっとも、公立保育園「クレーシュ」に入るのは都市部では倍率が高い)

・子どもを保育ママやベビーシッターに預ける場合には支援金が出る

・3歳からの保育学校は原則無料(子どもの98%が通っている)

・さらに、学費は基本的に大学までは無料(親は学費を貯金しなくていい)

・新学期の用意をするために毎年出る新学期手当(そんなのも?)

・第三子以降が産まれた場合には引っ越し一時金が出る(すごい!)

・家のリフォームや改築のための助成金なんてものもある(そんなものまで!)

・100人以上の従業員が働いている会社(事業所)では、赤ちゃんに授乳させるための場所を設置しなくてはいけないという決まりまである(日本でも作ればいいのに)

フランスの少子化政策や社会の状況を聞けば聞くほど「そりゃ、子どもも増えるだろう」という気がしてくる。要するに、子どもが大人になるまで、お金に悩まされることがなく、ストレスなく育児できる環境が整っているのだ。

え、家のリフォームや改築にも助成金あるんですか?知らなかった…。
これらの施策から、全力で国から産んで下さいと言われているのが伝わってきます。
日本の政治家の上から目線の命令かのような施策、どうにかなりませんかね…。

孤立した育児

子どもをめぐる環境は昔とまるで変わってしまったのだ。  かつては、子育てを祖父母が助けることは珍しいことではなかった。しかし、厚生労働省の調べによると、児童のいる世帯のうち三世代家族の割合は約16%にまで下がっている。親世代と子ども世代の別居化が進んでいるのだ。  さらに、この10年でも社会環境は大きく変わっている。三菱UFJリサーチ&コンサルティングによれば、2002年には「子どもを預けられる人がいる」と答えたお母さんの割合は57・1%だった。それが2014年の調査では27・8%にまで減っている。  さらに「子ども同士遊ばせながら立ち話をする人」「子連れで家を行き来できる人」「子育ての悩みを相談できる人」がいると答えるお母さんの割合も大きく減少した。

孤立したお母さんほど、育児不安を抱える割合が高くなることもわかっている。  内閣府の調査によれば、仕事を持って働くお母さんよりも、専業主婦のほうが、「育児の自信がなくなる」「自分のやりたいことができなくてあせる」「なんとなくイライラする」といった不安を抱える傾向にあるという。

だけど、孤立した育児ではそうもいかない。誰もが無料で電話相談ができる「育児ホットライン」などもあるが、CMをガンガンやっているわけでもないので、それを知っているのは「情報強者」のお母さんくらいだろう。

いや〜、孤立した育児とか無理です。耐えられません。

私も、子育て先輩の妹、ママ友など回りのサポートがあるから育児できてますが、無かったらどうなっていることやら。

「ベビーカーは折りたたまずに乗車することができます」

国土交通省が2014年「ベビーカーは折りたたまずに乗車することができます」という宣言を発表したのだ。そしてベビーカーは、車椅子と同じように、乗車に時間がかかったり、スペースを必要とすることに理解を求めている。

人口密度が多い東京など、どうしても電車は混雑しています。
ですが、誰かのためにスペースを作ることに、「回りのことを考えろ」を強要しすぎないでください。
あなたが車椅子生活しか遅れなくて、どうしても混雑した時間帯に電車を使わなければいけない時、イヤな顔されたらどう思いますか?
10kg近くある赤ちゃんもベビーカーという乗り物が必要なんです。

面白かった〜。
他にもいろいろ学びがあったので、また別記事にします。
育児しているママさん、日本の教育環境に疑問がある人、フランスの施策を知りたい人へ、是非おすすめの一冊です。

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ABOUTこの記事をかいた人

フランスのアルプス(ローヌ・アルプ)地方在住のママライター・翻訳者。 「パリもイイけど、フランスの地方はもっとイイ」ということを発信すべく、フランス人旦那と3人の息子(5歳/3歳/0歳))とのフランスのアルプスでの日常をブログで綴ってます。